全国的に看護師が不足しているが、近畿の病院間でも看護師の争奪戦が過熱している。
その背景には、四月の診療報酬改定で看護師を手厚く措置すればより多くの報酬が得られるようになり、高い専門性とブランド力がある大学病院が来春の採用数を大幅に増やしているためである。
待遇面が改善しにくい自治体病院は、退職者の補充さえも厳しい状態。
自治体系の採用計画
○ 大学付属病院では、採用を大幅増加
京都府内のある大学付属病院では、2006年春に約百人の採用数を、2007年春には約三百人にする予定。患者に対する看護師の割合を現在の「10:1」から、より多くの診療報酬が得られる「7:1」に引き上げる予定だ。しかし、現在の内定者数は「予定の半数以下」で、必要数が確保できなければ稼動ベッド数を減らすことも検討している。
大阪市内のある大学付属病院では、受験生の負担軽減を狙い今春の採用試験から看護の専門科目と小論文を外し、面接と履歴書だけにした。また、それまで大阪だけであった採用試験会場を今年は中国・四国・九州・沖縄にも広げた。
○ 民間病院では待遇の改善を急ぐ
2007年春に2006年比二割増の採用を目指す神戸市内のある病院では、看護師国家試験の準備金として内定者に5万円を上限に支給する制度を設けた。
京都市内の病院では、近くに保育所機能を持つ看護師寮を新設した。パート看護師を対象に賃金面の待遇改善にも取り組んでいる。
また、「多様な雇用形態を用意しないと人材が集まらない」といい、夜間勤務を敬遠する人を対象にした採用形態も検討している病院もある。
診療報酬改定_看護師数が手厚いと段階的に増額
入院患者について病院に支払われる診療報酬は、看護職員一人当たりの患者数が少ないほど段階的に多くなる。
去年四月の診療報酬改定では、従来最高水準だった「患者十人に対し看護職員一人(10:1)」より手厚い「患者七人に対し看護職員一人(7:1)」との水準が新設された。集中的な看護によって入院日数を減らし、総医療費を抑制するのが狙い。
「7:1」の病院に対する診療報酬(患者一人、一日当たり)は、「10:1」よりも約3,000円多く、診療報酬全体は大幅に引き下げられたため、各病院は看護職員の増員に動いる。
2007年12月25日 厚生労働省