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近江八幡市、経営見直し

メディカルタイムズ

近江八幡市、経営見直し

全国で初めて本格的なPFI(民間資金を活用した社会資本整備)方式で開業した近江八幡市総合医療センターについて、同市は経営形態の抜本的な見直しに乗り出す。市長の諮問機関が2008年1月21日、経営改善策を提言したのを受け、同市は市本体の財政破綻の恐れがあるとしてPFI契約解除も視野に検討に入った。経営効率化が期待されたPFI事業の頓挫は今後、全国の公立病院経営のあり方に影響を与えそうだ。

同医療センターは旧市民病院の老朽化に伴い、移転・新築が計画され、2004年10月に着工。2006年10月に開院した。大林組が全額出資するSPC(特別目的会社)のPFI近江八幡が市と契約を結んで設計・建設を担当。医療業務を除く維持管理、リネン、給食などの業務を30年間手がける。その後、病院は市に無償譲渡される。

冨士谷英正市長の諮問機関「同センターあり方検討委員会」(長隆委員長)がまとめた提言によると、センターの収支は年間支出が約110億円なのに対し、収入は約100億円にとどまる状況が続くとみられる。赤字は2007年度で約24億円の見通しで約8億円の一時借入金が必要になるなど経営状況が悪化している。

2013年度末には責務が約70億円まで膨らむと試算。病院事業は2008年度から同市と連結決算になるため、このままでは同市が自治体の倒産である地方財政健全化法の「財政再生団体」に転落する恐れがあると指摘した。

経営改善案では、今後、支出を毎年4億円以上削減。約244億円の施設整備費のうち約99億円を占める金利相当分について、低利の地方債への借り換えを検討する。SPCに前払いしている施設の修繕費の見直しも提案。こうした費用を適正化するため、速やかにSPCと交渉に入るよう求めた。

市は今後、同センター、PFI近江八幡と協議。同社との協議が難航し、経営改善計画がまとまらない場合は、PFI契約の解除も検討する。独立行政法人化などを模索する可能性もある。

ただ、PFI以外の方式に切り替えても、すぐに経営改善ができるかは不透明。契約を解除した場合、市は多額の違約金の支払いを迫られる恐れもある。

PFI
公共部門が実施している社会資本の整備を民間事業者の主導で進めようとする行政手法。プライベート・ファイナンス・イニシアチブの略。1990年代初めに英国で広がり、日本では1999年にPFI法が施行、公営住宅や学校施設、産業処理施設などで活用が始まった。民間事業者が自ら資金調達し、施設を建設・所有して一定期間運営した後に国や自治体に譲渡するBOT方式や譲渡しないBOO方式などがある。

近江八幡市総合医療センターをめぐる動き

2001年5月
市がPFIの導入を決定
2003年11月
市がPFI近江八幡と事業契約締結
2006年10月
医療センター開院
2006年12月
PFIに否定的な冨士英正市長が就任
2007年3月
前市長が公募で選んだ病院事業管理者が辞職
2007年12月
冨士谷市長が同センターのあり方検討委員会を設置
2008年1月
あり方検討委員会が経営改善策を市に提出



2008年01月22日 厚生労働省


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