1月・2月は特に心筋梗塞や脳梗塞や脳出血等が多い季節です。
これらを予防するために、血液をさらさらにする青魚に含有量の多いエイコサペンタエン酸(EPA)が有効であるとよく宣伝されています。
この事実は、北極に住むイヌイットの人々があの寒さにもかかわらず、なぜ心筋梗塞や脳梗塞が少ないかを調べてわかったことです。彼らはアザラシを摂取し、アザラシはニシン(アイヌ語)[カズの子のカズ(日本語)]等の魚を食べています。
それ故イヌイットの人々は血液がさらさらになり血栓が出来にくいのです。このことが青魚(EPA)がすすめられているゆえんです。
血液をさらさらにするということは血液が凝固しにくいということです。従って出血し始めると出血が止まり難いことを意味します。
それ故外傷等がおこらないよう注意が必要です。このEPA(エイコサペンタエン酸)は摂取すれば直ちに有効なものになるのではありません。
少なくとも5種類の酵素の作用で、PGI3(プロスタグランジンI3)とTXA3(トロンボキサンA3:血液凝固作用なし)が血液凝固を阻止するのです。
これが合成されるのは、血管に局在する酵素の作用によります。
従って血管がヘビースモークや暴飲等で障害を受けると血液凝固を阻止するPGI3等は合成されません。
ふだん血管を健全に保つよう注意を払う必要があります。また、PG(プロスタグランジン)の合成はアスピリン等の風邪薬やステロイドホルモン剤で阻害されます。
しばしばこれらの薬を服用すると青魚等を摂取しても効果なく脳梗塞や心筋梗塞になる可能性は大きくなります。
血管のミクロソームに局在するPGI3を合成する酵素(シトクロムP-450モノオキシゲナーゼ系)は、一般の酵素類に比較して非常に不安定で、すぐ失活します。
このことからも日頃の健康的生活が医療の基本です。医学に関するテレビや書物でいかにもある物質を服用すればただちに有効であると考えるのは大きな誤りです。EPAのみならずビタミン等多くの治療薬でも同じことがいえます。
又、青魚の代わりに牛肉や豚肉を大量に摂取すると肉の脂肪はコレステロールがあるのみならず血液を凝固するトロンボキサンA2(TXA2:血小板凝固作用が強い)が肉の中の脂肪酸(アラキドン酸)から多く合成されます。
従って、脳梗塞や心筋梗塞がおこり易くなります。
一方、誤解のないようにつけ加えますとコレステロールはステロイドホルモンや胆汁酸を合成する重要な材料でもあるのです。
また、アラキドン酸は人体に大切な脂肪酸の1つであり多くのPG(プロスタグランジン類)即ち局所ホルモン(オータコイド)の必須の材料でもあるのです。
食事はバランスよく摂取することが重要です。
2007年02月09日 市川佳幸